『マンションで急にお湯がでなくなった』といった経験をしたことがありますか?
おそらく半数くらいは「YES」、かもしれませんね。
いつもは普通にお湯がでているのに急にでなくなるということは、それほど頻繁にはおこらないので、普段は気にならないと思います。
しかし、実際そうなったときに「どう対処したらいいのか分からなくなる」という声は多いのです。
それもそのはずで、原因は一つではないからなのです。
『お風呂だけお湯がでない…』『お湯が湧くまでの時間が長くなってきている…』『お湯がでない時にはどこに連絡すればいいのかわからない…』
ここでは、お湯がでない時にはまずはどうすればいいのか、マンションでお湯がでないときの対処法についてお話ししたいと思います。
この記事は【管理業務主任者の執筆・宅地建物取引士の監修】でお届けします。🥇🥈
目次
マンションでお湯がでなくなる原因とは?
「給湯器の故障でお湯がでなくなってしまった」「水道の蛇口の故障でお湯がでなくなってしまった」「ブレーカーが落ちた時に給湯器の電源も切れていた」など、実際にこのような経験をしている方もいるでしょう。
こういった事例が多いということは、これからも起こる可能性はあります。
ほとんどありえない事例をたくさんあげたとしても、あまり意味がないような気がします。
なので、起こりうることからチェックしておいた方がいいのです。下記をチェックしてみるとわかりやすいです。
✅お湯も水も両方でない
✅お湯がでないエリアとでるアリアがある(キッチン、浴室、風呂場等)
✅お湯はすべてでない(キッチン、浴室、風呂場等)
順番に見ていきます。
1.【お湯はでないけれど、水はでる】:給湯器の可能性
「お湯を使いたいのに、水しか出ない」
こういうときには、まずは給湯器を疑います。
まずは、給湯器の種類をざっくりとみておきます。
- ガス給湯器:ガスでお湯をつくる
- 電気温水器:電気でお湯をつくる
- エコキュート:電気でお湯をつくる(効率よくお湯を作りタンクに貯める)
エコキュートは電気代が節約できる、といったことを聞いたことがあると思いますが、空気の熱を使って効率よくお湯を作りつつ、安い深夜電力でお湯を沸かしておきます。
ガス給湯器や電気温水器とは少し仕組みが違います。
上記、一度経験すれば、「そうだ、ブレーカー落ちたんだった」と、次からはすぐにわかります。
下記では、ガスコンロも使用できないのですぐにわかりますね。
電源がOFFになっていたり、マイコンメーターが止まっていないという場合、給湯器の故障などが考えられます。
故障する前には「おかしいな」という予兆を感じることがあるはず。
いきなりということもありますが、おかしいなと思えるこんな予兆はありませんでしたか?
・お湯の温度が安定しない
・給湯器から水漏れしている
・給湯器から異音や異臭(こげくさいなど)がする
何の予兆もなく、いきなり故障というケースもありますが、そろそろ故障するかも、という予兆を感じることは多いです。
給湯器の故障が原因なら、給湯器の補修か交換をすることで解消できます。
2.【お湯も水も両方でない】:水道の可能性
「お湯も出ないし、水も出ない」
というときには、お湯というよりも、水がでない何らかの理由やトラブルなどを疑います。
可能性としては、この3つ。
・地域やエリアで断水している可能性
・自分に部屋だけが使えない可能性
たとえば、貯水槽があるマンション。
年に1回、貯水槽清掃がありこれは条例で決まっています。水槽の大きさによって点検などの規定があるので、水槽を清掃をしている時間帯には断水になります。清掃日のお知らせに断水時間が書かれています。
東京都の条例では「5㎥を超える受水槽は1年以内に清掃を行う」、神奈川県の条例では「8㎥を超える受水槽は1年以内に清掃を行う」というように決まっていてこれは自治体によります。
たとえば、セントラル方式でお湯を沸かしているマンション。
普通は各部屋に個別に給湯器がついていますが、セントラル方式では大きな給湯設備で全室分のお湯を沸かしています。部屋ごとに給湯器がついていないホテルのようなイメージです。この給湯設備の不具合がおこっているかもしれません。
地域で水道工事などがあり断水になっている時は、基本はお湯おも水もでません。普通は深夜〜明け方に工事をすることが多いので、これも事前にお知らせが配布されていると思います。
水道の止水栓や元栓がしまっていると、これもまた水はでません。
元栓は玄関近くの鉄の扉を開けるとあります。水道メーターの横についています。止水栓はトイレ、キッチン、洗面所についていますので、元栓、止水栓が閉まっているところの水はでません。
3.【お湯がでないエリアとでるエリアがある】:給水設備(水栓)の可能性
「キッチンだけお湯がでない」
というときは、水栓などの給水設備の故障を疑います。
たとえば、キッチンなどでは水栓のレバーでお湯と水の量を調節していますが、部品の劣化などで、お湯の量が調節ができなくなったりもします。劣化している部品の交換か、水栓自体の交換をすることで解消されます。
4.【全てのエリアでお湯がでない】:給湯器の可能性
「キッチン、浴室、お風呂場など、全てのエリアでお湯がでない」
というときは、給湯器の故障を疑います。
水がでるということは、水道関係には問題がないので、お湯を沸かす給湯関係に異常でている可能性があります。1と同じなので、【1.お湯はでないけれど、水はでる】!を読んでください。
お湯がでないときには、どこに連絡すればいいの?
ここまでで、お湯がでない原因がいくつかあるということがあるという話をしました。
で、どこに連絡をすればいいのか、ということですが「給湯器の故障」「水栓の故障」の2つがすぐに修理や交換が必要な事例にあたるので、まとめておきますね。
【給湯器が故障した場合】
給湯器がリース契約ならば、契約期間内はリース会社が修理をしてくれるので、リース会社に連絡をします。
リース契約ではなくてももし、保証期間内ならば(メーカーの保証期間は一般的には2年、長期保証の契約を結んでいればその期間)保証会社や家電量販店などの、保証している会社が修理してくれます。
保証期間外なら、メーカーの問い合わせセンターに相談して修理できそうならば修理を依頼します。交換する場合にはいくつかの見積もりを取得して交換します。
【水栓が故障した場合】
自分で修理する場合でも、業者に依頼する場合でも、まずは使用しているメーカーと型番を確認します。メーカーや型番によって、使われている部品が異なるので、部品代の金額には差があります。古い水栓などで部品代が高くつく場合には、水栓ごと交換した方が安いということもあります。
マンションでお湯がでない時の対処法まとめ
というわけで、マンションでお湯がでない原因が分かってきたのではないでしょうか?
『どこに連絡すればいいの?』『連絡しなくても時間が経てば大丈夫なケースは?』ということを知りたいと思っている方が、ほとんどだと思います。
結局はどうすればいいのか、どうもしなくてもいいのか、というところが大事ですから。
最後にマンションでお湯がでないときの対処法として、まとめておきます。
【マンションでお湯がでない事例一覧表】
連絡が不要な事例 | お湯がでない原因 |
お風呂のお湯を張った後に水しかでなくなった | エコキュートならたくさんのお湯を使うとお湯がでなくなります。一晩たてばタンクにお湯が溜まります。 |
お風呂にお湯を張ろうとしたら、水だった | 給湯器の電源のがOFFになっている可能性があります。電源をONにしてみてください。 |
連絡が必要な事例 | お湯がでない原因 |
キッチンで水は出るけれどお湯がでなくなった | キッチン水栓の部品の劣化の可能性があります。 部品の交換か蛇口の交換が必要です。 |
最近お湯の温度が安定していなかった、そのうちにお湯がでなくなった | 給湯器が故障している可能性があります。 給湯器の交換か修理が必要です。 |
正しい知識をもっていると、トラブルに巻き込まれる確率を減らすことができます。逆にお湯がでなくなったという経験を、ステップにすればいいのです。
当マガジンでは、マンションについての話題や知識などを取り扱っています。もっと学びたい方は、他の記事もどうぞ。
電気のブレーカーが落ちてしまったときに、給湯器などの電源もOFFになってしまい、それがそのままということもあるかもしれません。もしもそうならば、電源をONに入れたり水の温度の調整をするなどで解消されます。