「物件を見分けるための、アパートとマンションの違いを知りたい」「アパートとマンションの違いは階数などの、規模の違いでしょうか?」
アパートなのか、マンションなのかの違いで、大きく資産価値が変わるのなら、その違いを知りたいと思うものです。
ここでは、「アパートとマンションの違い」や「アパートとマンション、どっちがいいの?」という疑問をお持ちの方が、マンションやアパートを選ぶ基準や、実際にどのような違いがあるのか、解説していきます。
この記事は【宅地建物取引士】の執筆【一級施工管理技士(建築)】の監修でお届けしています。🥇🥈
目次
アパートとマンションはどう見分ければいいの?
「アパート」と聞くと、なんとなく古い建物で、「マンション」と聞くと、構造上もしっかりと建てられているというイメージがあります。
でも、法律などで明確に規定されているわけではありません。
言ってしまえば明確に規定されていないので、特にこだわらなくても困らないと思います。
ということなので、あまり悩まない方がいいです。そう言われると、ますますどうすればいいのか分からなくなってしまうという方には、考え方として3通りあります。
1つは「インターネットやWebサイトなどで統一されているルール」もう1つは、「建築基準法などの規定を参考にする」そして、最後に「管理の状況から判断する」です。
マンションの価値を判断するときにも、保険会社などは「構造」だったり「築年数」だったり「建築当時の価格」だったりと、実際の価値や劣化状況などを数字でみるので、マンションかアパートなどという、呼び方はどちらでもいいのです。
ポータルサイトの登録の基準でみる
アパートやマンションの情報を調べるときに、ポータルサイトを利用する方は多いです。
大手ポータルサイト7社が加盟している不動産情報サイト事業者協議会という団体では、アパートとマンションの違いについて、サイト登録のルールを決めています。
- アパート:軽量鉄骨造り・木造等の建物
- マンション:鉄筋コンクリート造り・その他の堅固な造りの建物
こういった表記のルールがあることと、あとは不動産会社の社内の規定によって違ってくるのだという理解で、ほぼ困りません。
ただ「○○マンション」や「〇〇アパート」「〇〇荘」のように建物名がつけられていることがあるので、そういったイメージ的なことはあるかもしれませんね。
建築基準法の建物の規定を参考にする
また建築基準法で、建物は「建築物」と「特殊建築物」とに区分されています。
さらに、どんな用途で使われるのかということが建築基準法の施行規則で定められています。
ここでもアパート、マンションという区分ではなく、「一戸建ての住宅」「長家」「共同住宅」に分かれています。
アパート、マンションというくくりではなく、建築基準法でどのような規定があるのか、というところを参考にしてみるのもいいと思います。
地域によっても基準が異なったり、自治体で規制されていたりすることもあるのですが、基本的なこととして知っておくといいと思います。
建築基準法の規定 | 対象の建物 |
エレベーターの設置義務 | 高さ31メートルを超える建物 |
避雷設備の設置義務(雷を避けるための避雷針) | 高さ20メートルを超える建物 |
スプリンクラーの設置義務 | 11階以上のマンション |
外階段(直通階段)の設置義務 | 6階以上のマンションでは2以上の階段 |
こういった規定のもとで建築されているということなのですが、規模が大きくなればなるほど(住む人の人数が多いほど)、規定が厳しくなるイメージです。
マンション内の設備でも、生命にかかわるような消防設備などは規模が大きくなればなるほど、いろいろな設備がついていたり、点検なども必要になります。
管理の形態や状態状況を参考に
「アパートとマンションを見分ける」解決方法として、管理の状態で把握するというのも1つです。自主管理をしているマンションでは実際の管理状況が見えにくいかもしれません。
管理会社が管理している場合は、長期修繕計画を策定してマンションの寿命にかかわる大規模修繕工事を実施していたり、マンションの共用部分においても適切な保険に加入していると思います。
やはり、事故が発生したときに保険に加入していないとリスクが大きいのです。
築年数が経過しているマンションやあまりにも事故が多いと保険会社に加入を断られたりすることもあるようです。保険料の算定には給水管の更生、更新工事や大規模修繕工事を実施しているかなどの修繕の状態などが加味されることがあります。
古いマンションなどで必要な修繕をしていないと水漏れが発生して被害が拡大したり、外壁が落下して通行人に怪我をさせてしまい賠償責任を負うリスクなどもあります。
どんな管理をしているのかで、マンションの寿命が変わってくることもあるので、建物の管理は大事です。
さらに、マンションは「賃貸マンション」と「分譲マンション(分譲賃貸)」というくくりがあるので、わかりにくい要因となっています。
前者は一棟マンションを1人で所有していて、後者は区分所有マンションを複数で所有している(部屋ごとに所有者が違う)というイメージです。
エリア、築年数、管理状況などをチェックする!
今回は「マンションとアパートの違い」というテーマでご紹介しました。
結論としては、マンションやアパートという区分には、あまり意味がないということです。それよりも、価値の下がりにくいマンションを選んでおくということの方が、大切です。
- エリアによるもの:土地の価格の変動や自然災害などの影響
- 築年数によるもの:耐震基準の違いによる地震時のリスクと耐震改修費用が賄えない可能性
- 管理状況によるもの:外壁が落下したり、修繕が行われないないなどの管理状態
マンションを資産として考えると、最低でもこの3つは外せないと思います。
資産価値については、また別の記事でご紹介します。
というわけで、少しでもマンションを選ぶための知識として、お役立ていただければ幸いです。
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